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ベトナムで日本式教育 公文や栄光HDが進出
2013/06/21
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ベトナムで「日本式教育」への関心が高まっている。首都ハノイ市ではそろばん教室が人気で、公文など日本の学習塾も多くの生徒を集めている。「質が高く、将来役立つ」と現地の評価も上々だ。日本に対する理解にもつながり、現地に進出する日系企業にとっても利点が多そうだ。

 ベトナムで「日本式教育」への関心が高まっている。首都ハノイ市ではそろばん教室が人気で、公文など日本の学習塾も多くの生徒を集めている。「質が高く、将来役立つ」と現地の評価も上々だ。日本に対する理解にもつながり、現地に進出する日系企業にとっても利点が多そうだ。

 ハノイ市の教育関連企業が運営する「ベトナムそろばんアカデミー」。週末には4~12歳までの子どもたちが集まりパチパチとそろばんをはじく。開校は2011年3月。「算数の考え方が身につく」と評判で生徒数は2千人に達した。

 1コース14回の受講料は120万~140万ドン(約5500~6400円)。一般労働者の月額平均賃金が約400万ドンの同国では安くはない。実はベトナムはアジアでも教育熱心な国の一つ。大和総研によるとベトナムの家計に占める教育費の割合は6.8%。インドネシア(6.6%)や中国(6.3%)を上回る。子どもの出世に対する期待が強く「教育にお金を惜しまない」(同校のチャン・スアン・トゥイ取締役)という。

 進学塾で日本最大手の栄光ホールディングス(HD)は5月、ハノイ市に学習塾を開いた。小学2年生から中学3年生までに英語や数学、物理・化学などを教え、高校入試対策にも力をいれる。生徒数は約50人だが、9月には100人まで増えそうだという。生徒数を10~20人の少人数に限定し、自習室など学習環境を充実させた。日々の学習状況の報告や三者面談などきめ細かなサービスも好評だ。

 07年にベトナムで開校した日本公文教育研究会はホーチミン市内13カ所に教室を展開する。生徒数は約8千人に達した。「日本ブランドはベトナム人の間で浸透しており、公文も日本の教育法として信頼されている」と同社現地法人の松浦義和社長は言う。ハノイ市でも年内開校を目指して準備中だ。

 同国に外資系学習塾は少ないため認可に時間がかかる面もある。教育産業自体が未成熟なためフランチャイズチェーン(FC)展開も壁が多い。

 ただ、ベトナムにとって最大の投資国である日本への関心は強い。昨年、日本国内にある日本語学校に留学したベトナム人は約1700人。韓国、台湾を抜き中国に次ぐ2位に浮上した。日本式教育になじんだ学生が増えれば、日系企業が優秀な現地人材を採用する場合にも追い風となりそうだ。

日経新聞2013年6月21日により

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